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2021.10.01
その他

定住支援員の「やわたはま・あれこれ」~八幡浜求人事情編2021年~

皆さんこんにちは☆八幡浜市定住支援員のOです!

移住をする際に重要なことの一つに、「仕事」があります。
相談窓口でも、「就職したいんですが、仕事はありますか」というお問い合わせをよくいただきます。働ける場所があるのかどうか、どういった仕事を選べるのか、やっぱり気になりますよね。加えて、どのくらいの収入が見込めるのか、平均賃金の傾向も予め知っておきたいポイントです。

今日は、ハローワーク八幡浜さんから提供されたデータをもとに、近年の八幡浜の求人の傾向をできるだけ簡略にまとめてお伝えしていきたいと思います。
※記事内容については、2021年10月時点のものです。今後経年等により状況や傾向が変わることも想定されますので、予めご了承ください。記事中、一部数値については、ハローワーク八幡浜のデータをもとに独自に計算しました。
ハローワーク八幡浜の求人情報は、ポータルサイト内で随時更新していますので、そちらもぜひご覧ください。ハローワーク求人情報

 

❶仕事って、あるの?

まずは皆さん、八幡浜にはどんな求人があるのか、そもそも求人があるのかどうかが、気になるところですよね。
八幡浜市・西予市・伊方町を管轄としたハローワーク八幡浜の有効求人倍率は、近年1倍以上で推移しています。(※有効求人倍率とは、求職者1人につき何件の求人があるか、ということ)

2019年度の平均有効求人倍率は、1.54倍。
新型コロナウイルス感染症の影響が大きくなり、経済活動の縮小が余儀なくされた翌2020年度の平均有効求人倍率は、1.33倍でした。

八幡浜の特徴としては、温州みかん収穫期の10月~12月に、収穫アルバイトの季節求人が多く出ます。また、年末年始の練り物製品の需要に向けた求人も出るため、この期間は全体的に有効求人倍率が上がる傾向になります。
2019年10月…1.88倍 同11月…1.95倍 同12月…1.97倍(年平均1.54倍)
2020年10月…1.50倍 同11月…1.50倍 同12月…1.52倍(年平均1.33倍)

収穫アルバイトのニーズは、近年の農家の高齢化や摘み子不足により年々増加傾向となっています。
※ワタクシが体験しているみかん収穫アルバイトの様子は、ブログをどうぞ ⇒ みかん・アルバイト編①みかん・アルバイト編②

 

業種別に各年度ごとに平均有効求人倍率を見てみると(※常用雇用)
●技術・専門職  2019年…2.85倍  2020年…2.86倍
●事務職     2019年…0.67倍  2020年…0.46倍
●販売職     2019年…2.12倍  2020年…2.29倍
●サービス職   2019年…3.27倍  2020年…2.79倍
●製造職     2019年…2.20倍  2020年…1.82倍
●建設土木職   2019年…5.10倍  2020年…3.94倍
●運搬・清掃職  2019年…0.21倍  2020年…0.30倍

業種ごとにかなり差があることがわかります。

事務職や運搬・清掃職に関しては、過去5年(2016~2020年)ほぼ変わらず、1倍未満。
運搬・清掃職の倍率が低いのは、比較的気軽に従事できるということで高齢者からの人気が高く、尚且つ、求職している高齢者の数が多いという地方ならではの事情もあります。
建設業は、2016年~2018年度には平均して2~3倍程度で推移していましたが、西日本豪雨災害の復興や耐震化工事の需要を受け、ここ数年はより高い数値となっています。

 

年間通じて介護・医療職の求人は多く、毎月何件もの求人が出ています。
これは全国の地方都市に共通したことですが、若い働き手世代の人材不足は大きな問題となっています。

一点ご留意いただきたいのは、有効求人倍率が高いとはいえ、八幡浜を含む地方都市では、都会に比べて選べる職種や仕事内容がぐっと少なくなります。例えばIT、イベント企画、出版などの求人は、ほぼありません。そういったスキルを活かしたい方は、思い切ってご自身で起業することも選択肢の一つです。

尚、八幡浜でお仕事を探したい方向けに、ハローワークに出ていない潜在的なニーズとマッチングさせる八幡浜独自のお仕事探し支援「移住者向け仕事情報おつなぎ支援・や∞わーく」もご用意していますので、ご興味があるかたは こちら もご覧ください。

 

➋お給料、どのくらい?

お給料は、都会と比べるとほぼ間違いなく低くなります。

2020年度に求人票に提示されていた、常用雇用に対する求人募集賃金の平均(※1)を業種別に見てみましょう。

●技術・専門職  上限平均…239,232円   下限平均…191,447円
●事務職     上限平均…174,650円   下限平均…155,592円
●販売職     上限平均…219,119円   下限平均…177,953円
●サービス職   上限平均…186,958円   下限平均…162,311円
●製造職     上限平均…205,500円   下限平均…161,058円
●建設・土木職  上限平均…252,746円   下限平均…180,601円
●運搬・清掃職  上限平均…180,223円   下限平均…163,221円

ちなみに、最低賃金は毎年改定されており、2021年10月1日~の愛媛県の最低賃金額は821円となっています。詳しくは愛媛労働局HP(外部サイト)からご確認ください。

地方では、家賃や娯楽費などは都会と比較して低くなる傾向がありますが、移動のために自家用車を維持しなければならないなど、地方特有の出費もあります。また、家族構成によっても支出項目は大きく異なってきます。

移住検討者の方からは、よく「暮らしていけますか?」と聞かれることもありますが、実際、その土地の方々はそれでやりくりしているので、こればかりは移住者ご自身の過ごし方にかかってくる部分が多いです。

例えば、食事は毎食外食やデリバリーで済ませていたよという方が、収入が減ったのに同じことを続けようとするとお金が足りなくなります。毎月新しいブランド服をどんどん購入したいとなると、やりくりに無理が出てくるでしょう。
移住を機に、今までの支出傾向を見直す必要は出てくるかもしれません。

とはいえ、子育て世帯の場合は、八幡浜では保育所への入所も都会ほど順番待ちの状況ではなく(※2)、共働きしやすい環境です。
今まで、働きたい意欲がありながら子供さんを預けられずにご主人の収入だけでやりくりしていたご家庭なら、奥さんも働きに出ることによって今までとは違う生計の立て方も出来ますので、そういった方法も検討してみてはいかがでしょうか。

定住支援員として皆さんにお話を伺っていると、移住して一定期間過ぎた人の場合、環境の変化とともに必要不可欠な出費とそうでないものの見直しが自然にできるようになったとおっしゃいます。

●通勤時間も短くなって家に帰るのが早くなったから、自炊できるようになって食費が下がった。
●近所の方から旬のお野菜を頂けることもあるので、残さず使い切るようにしていたら食費を見直すきっかけになった。
●今まで習慣のようにコンビニに行っていたが、コンビニの数も少ないので、寄ることがなくなったら支出が減った。
●都会だと、見栄の張り合いみたいなところがあって交際費や服飾費にお金がかかっていたが、無理しない生活が送れるようになった。
●高いブランド物の洋服や靴を買っても、着て行く場所も近くに無いので自然と買わなくなった。
●遊興施設が少ないので、自然の中で遊んだり、お金をかけずに楽しめる方法を見つけれるようになった。

理由は様々ありますが、移住後の環境に合わせて無理なくご自身のマインドも変化させているようです。

都会と比較して、地方では選べる職種が少ない、賃金が低いという点は事実です。
移住を検討される方は、移住のいい面も悪い面もしっかり理解したうえで、今後ご自身がどういった生活を送りたいか、どこでならそれが叶うのか、どこまでなら不自由や不便を甘受できるのか、一度じっくり考えてみるのも大事です。
それらをしっかり検討し、納得した上でなら、「こんなはずじゃなかった・・・」という後悔も少なく、満足度の高い移住に繋がるでしょう。

皆様にとって幸多い移住先が見つかることを祈っています。願わくば、それが八幡浜でありますように★

さて、今日のところはこの辺で。

※1 基本給+定期的に支払われる手当。時間外手当は含まず。
※2 八幡浜では、毎年11月に次年度の入所申込を受け付け、希望状況に合わせて人員を配置し、対応しています。11月に申込頂いていた場合、現在のところほぼ、第3希望までのいずれかに通っていただけています。
4月からの移住を検討されている方で、既に今お住まいの市町で保育所に通われている場合は、お早めにご相談ください。移住後、年度途中から新たに入所を希望される場合には、その時点で空いている保育所をご案内することができますが、ご希望される保育所でない場合もあります。

 

❁定住支援員・O❁

八幡浜市で初めての地域おこし協力隊として、中山間地域・日土東地区を担当。3年の任期満了後、平成30年4月から定住支援員として市内全域を対象に活動中。市内でも各地域で異なる風習や文化に日々驚きつつ、移住検討者の方に向けた「八幡浜の日常のあれこれ」をお伝えすべく、あっちこっちに出没。
地図を読むことは得意だが、その地図情報が留まることがなく軽やかに頭を滑り落ち、行ったことがある場所でも危うさを感じる日常。自身の記憶への信頼感はここ数年でほぼゼロと化した(ヾノ・x・`) とはいえ、何度でも初めての感動を味わえるのでそれはそれでOKだと悟りの境地に近づいている。