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2019.05.17
みかん

定住支援員の「やわたはま・あれこれ」みかん編①

こんにちは!
八幡浜市定住支援員のOです(^ ^)

 

柑橘王国八幡浜。

 

八幡浜での温州みかん生産量は、みかん県・愛媛全体の約38.5%
しかし、その生産「額」は52.0%を占めています。(平成25年産)※1

つまり、「高価格(高品質)のみかん」を生み出している産地であるといえます。

 

市民の大勢がそれを支える農家さんであることはもちろんですが、
ワタクシのような農業に関係のない移住者も、
収穫時期の摘み子さんなど、何らかの形でみかんに関わることが多い土地です。

「みかん編」では、数字ではない、みかんに関する八幡浜の日常のあれこれを、不定期にお伝えします。
奥深いみかんの世界、ワタクシ自身もいろいろ学びながらなので、気長にお付き合いください(;^_^A

 

さて、まずは基本的なこと。

柑橘と一言で言っても、その種類は多岐にわたります。
ワタクシ正直、八幡浜に来るまでこんなにあるなんて知りませんでした。ポータル参照

 

八幡浜では、主に海岸線の地域では温州みかんが専作で作られていることが多く、
その中でも向灘地区の「日の丸」、
真穴地区の「まるま」、
川上地区の「まるか」の3つは
日本屈指のトップブランドとなっています。

《見てください!このつやつやプリプリのかわいらしさ♡間違いなくおいしいです!!》

 

 

少し海沿いから離れると、温州みかんに加え、
清見タンゴールせとか
1個〇〇〇円で売られる「甘平」や「紅まどんな」等の
各種中晩柑育てる複合農家さんが増えてきます。

《3~5月頃に収穫期を迎える清見》

 

 

柑橘の個性は様々。

育成に適した環境はそれぞれ違うので、自分たちの地域にあった品種を
消費者のニーズに合わせながら決定しています。 

ここで重要なのは、柑橘は、植えてすぐに収穫できる作物ではないということ。

5年生の樹がやっと少し実をつけはじめ、
10年生からしっかり実がなり品質が良くなって、
その後、30年生くらいをめどにやっと働き盛りの樹になります。

一般的には、苗木から育てて20年から40年が経済的樹齢だと言われています。

苗木ばかりでは収入にならないし、かといって年々樹は年を取っていくので、計画的な植え替えが必要です。
また、一度植えたら樹は動かせません。
新しい品種に植え替えるにも、ものすご~~く長期的な展望に立って、見極めていく必要があるんですね。

 

そして、野菜などとは異なり、収穫が年に1回しかないということ。
1年間のすべてが、そこに集約されます。

剪定し、摘果し、防除し、様々な手をかけた結果が成果として分かるのが1年後。

万が一出来が悪かったとして、
何がいけなかったのか、日照不足が原因か、水が足りなかったのか、
どの防除のタイミングが適してなかったのか、
はたまた他にも要因があったのか。
明確に原因を特定できることは稀です。
ひょっとすると、前年からの何かが影響しているのかもしれません。

***********
70代の農家のおじいちゃんは、
「わしゃ、まだたった50回しかみかん作ったことがない。
他のモノづくりで考えたら、素人も同然やで。今年も勉強よ」
とおっしゃいました。

別の30代の農家さんは、
「柑橘農業は、その年自分がしたことのうち、何が正しかったのか、
何が失敗したのか、はっきり答えが分からないことも多い。
だから、答えがすぐに出る作業は好きなんだよね」
と、複雑にこんがらがった糸をほどく作業を淡々とこなしていました。
***********

 

八幡浜の人の、特に農家さんのおおらかさ・ゆったり感・辛抱強さは、
一度として同じ瞬間はない自然を相手に、
人の手では抗えない・及ばない部分があることを知っている強さから来ているのかもしれません。

あくせくしてすぐに答えを求められる現代では、
なんだかとてもまぶしく見える生き方だなぁ、とワタクシは個人的に思っております。

それでは今日はこの辺で。

【追記】
※1 令和元年産にいたっては、愛媛県産の温州みかんのうち八幡浜の生産量は50%、売上高は58%を占めています。(令和4年1月加筆)

 

❁定住支援員・O❁
八幡浜市で初めての地域おこし協力隊として、中山間地域・日土東地区を担当。3年の任期満了後、平成30年4月から定住支援員として市内全域を対象に活動中。
市内でも各地域で異なる風習や文化に日々驚きつつ、移住検討者の方に向けた「八幡浜の日常のあれこれ」をお伝えすべく、あっちこっちに出没。
市内を回り始めて一年経った今でも、八幡浜の地図が頭の中で暴れ出す発作は治まらず、気を抜くと目指していたところを通り過ぎる日々。最近は、自身の記憶能力への疑いを持ち始めた(;^_^A