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2026.01.19
ブログ

【夫編】知識0からのスタート

「農業をやる」と決めたものの、最初は本当に“知識0”からのスタートでした。
農業高校でもなければ、農学部出身でもない。
実家がみかん農家とはいえ、学生時代に手伝ったのはせいぜい収穫期に少しだけ。
肥料の種類も、剪定の仕方も、まったくわからない状態でした。

「本当に自分にできるのか?」
そんな不安を抱えたままのスタートだったと思います。


■ 教科書よりも、現場が先生

最初に学んだのは、祖父でした。
まさに1から10まで、農業のすべてを教えてもらいました。

祖父の後ろについて園地を回り、
ひとつひとつ確認しながら作業を進めていく日々。

「じいちゃん、この枝は切っていい?」
「消毒は、このくらいの量で合っとる?」
「この木は、まだ摘果せんでええん?」

今思えば当たり前のことばかりですが、
当時は、その判断基準がまったくわからなかった。

祖父は1つ1つ理由を添えて教えてくれました。

でも、言われた通りにやるのと、
一人で判断するのとでは、まったく違います。

剪定ばさみを持ったまま、
「これ、切って大丈夫なんやろか」と手が止まる。
迷って切ったあとも、
「今の判断、間違っとらんかな」と不安になる。

教科書には載っていない“感覚”
それをつかむまで、何度も立ち止まりながら、
目で見て、体で覚えるしかありませんでした。


■ 知識を埋めるために、できることは全部やった

経験も知識もない。
だからこそ、夫は必死でした。

宇和島にある果樹研究の施設で栽培の技術を学びに行ったり、
剪定や栽培に関する本を読んだり。
オンラインで愛媛大学の農業に関する講義を受けていたこともありました。

八幡浜支局地域農業育成室が主催する講座(摘果講習会や剪定講習会など)にも、積極的に参加。
現場と座学、両方から少しずつ知識を積み上げていきました。

それでも、「わかったつもり」になることはあっても、
自信を持って判断できる場面は、正直ほとんどなかったと思います。


■ 周りとの差を、痛感した日

農家の集まりに参加したときのこと。
周りの会話がまったく理解できなかったこともあったそうです。

「何の話をしているのか、さっぱりわからなかった」

自分だけが置いていかれているような感覚。
知識0で飛び込んだ世界だからこそ、余計に感じた差だったと思います。

最近では、「今はだいぶ話についていけるようになった」と言っていますが、
そこに至るまでは、かなり悔しい思いもしたはずです。


■ 正直、いちばんしんどかった時期

体力的にも、精神的にも、余裕はありませんでした。

ふと、現実として突きつけられたのが、「もう、戻れないんだな」という感覚。

私は仕事を辞めて八幡浜で暮らすことを決め、家と仕事探しも進めていました。

もし、農業でうまくいかなかったら?
家族を養えなかったら?

逃げ道がないからこそ、

そのプレッシャーは、相当大きかったと思います。


■ お金の不安が少なかったから、続けられた面もある

親元での就農だったため、
雇用という形で、毎月決まった給料をもらっていました。
金銭面に関しては、正直そこまで大きな不安はなかったと思います。

これは、Uターン就農ならではの部分かもしれません。

Iターンで就農される方の場合、金銭面が一番の不安要素になることが多いです。

実際、JAや市の補助を全部含めると、
研修期間中は月20万円程度になるケースもあります。
(補助金によってはもらえるのが後だったりする場合もあるそうです)
ただ、20万円だけで家族を養うのは簡単ではありません。

私が話を聞いてきた移住者さんの多くは、
奥さんがパートに出たり、
テレワークで移住前の仕事を続けたりしながら、
家計を支えている印象です。


■「続けよう」と思えたのは、ずっと後

正直、1年目の間は、
農業の楽しさややりがいなんて、ほとんどわからなかったと思います。

とにかく、毎日をこなすので必死。
「続けよう」と思えた明確な瞬間があったわけでもありません。

ただ、
やると決めたから、やるしかない。
それだけでした。

4年目になった今、
友達にみかんをおすそ分けして「おいしい」と言われると、
少し嬉しそうにしています。

たぶん、
「これからも続けよう」と思えたのは、ずっと後。
時間をかけて、少しずつだったのだと思います。


■ 妻から見た、あの頃の夫

技術面では、やっぱり周りより劣っていたと思います。
その分、埋めようと必死でした。

弱音を吐くこともあったけれど、
それでも毎日現場に立ち続けていました。

正直、
「農業をやめたい」と言われたらどうしよう、
そんな不安はずっとありました。

背中を押したのは私だけど、
その先の大変さまで背負わせてしまったんじゃないか、
そう思うこともありました。


■次回予告

次回は、
「みかん農家の大変なところ」にフォーカスしてお届けします。
農業のリアルな一面を正直に書いていく予定です!


❁八幡浜市地域おこし協力隊 移住支援員❁
2023年4月に着任。結婚を機に八幡浜に移住してきました。
人の温かさに触れながら、忙しいながらも充実した毎日を送っています。
新鮮な魚とおいしいみかんが食べれる町。それが八幡浜。来て見て食べてみてください。
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