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2026.02.20
ブログ

【夫編】みかん農家として生きるという選択

正直に言うと、
みかん農家になるという選択が正解だったのかどうかは、今でもはっきりとはわかりません。

楽な道ではなかったし、
「これを選んで本当によかった」と言い切れるほど、余裕をもって歩いてきたわけでもないからです。


やめる選択肢は、何度も頭をよぎった

農業を始めてから、
「やめようかな」と思ったことは、正直何度もあったそうです。

特にしんどかったのは、自分が“雇われている立場”だったこと

親元での就農という形だったため、
自分なりのやり方で自由に進められるわけではありません。

「こうしたい」という思いがあっても、それをすぐに形にできないもどかしさ。

知識も経験も足りない中で、思うようにいかない日々が続くと、
「自分は向いていないんじゃないか」と思ってしまうこともあったそうです。


それでも、やめなかった理由

それでも続けてきた理由は、とてもシンプルでした。

やると決めたから、やるしかなかった。

それだけだったと思います。

ただ、続けていく中で、
少しずつ気持ちが救われる瞬間も出てきました。

友達にみかんをおすそ分けして、
「これ、おいしいね」と言われたとき。

その一言で、
「やっててよかったな」と素直に思えたそうです。

派手な成果ではないけれど、自分が育てたものを喜んでもらえる。
それは、想像以上に心に残る出来事でした。


頑張った分だけ、結果に反映される世界

もうひとつ、農業ならではだと感じたのが、
頑張りが“お金”という形で見える可能性があること

サラリーマン時代は、
どれだけ頑張っても給料が大きく変わることはありませんでした。

でも農業は違います。

もちろん、毎年うまくいくわけではないし、
自然相手の仕事なのでリスクも大きい

それでも、うまくいったときには、ちゃんと結果が返ってくる。

その感覚は、会社員時代にはなかったものだったそうです。


「農家は夢がある」と思えた瞬間

主人がよく言うのが、「農家は夢がある」という言葉。

正直、私はまだその意味を完全に理解できているわけではありません。

でも、おもて年の豊作の年
収穫時期は地獄のような忙しさでした。

体力的にも精神的にもきつくて、
「もう無理かも」と思う日もあったと思います。

それでも、その年は収入という形で、はっきりと成果が見えました。

「しんどかったけど、頑張ってよかった」

そう思えたあの瞬間だけは、
確かに“夢がある”と感じられた気がします。

農業の夢は、キラキラした理想ではなく、
現実を積み重ねた先にあるのかもしれません。


◎「夢がある」の正体は、現実の延長線上にある

ちなみに、主人の今の夢は
**「最終的に、手元に1,000万円が残るくらい稼ぐこと」**らしいです(笑)
実現できるかどうかは、さておき。。。(笑)

もちろん、売上=収入ではありません。

肥料代や農薬代、機械の維持費、人件費、梱包する資材の費用など。。。
税金もかかります。

思っている以上に経費は多く、
「たくさん売ればいい」という単純な話でもありません

日本は累進課税制度なので、所得が増えれば税金の割合も上がります。
売上が伸びても、その分すべてが手元に残るわけではありません。

だからこそ大事なのは、

「どれだけ売ったか」ではなく
「どれだけ手元に残せるか」だと思います

農業は体力仕事ですが、同時に経営でもある。

夢があるとするなら、それは理想を語ることではなく、
現実をどう積み上げていくかにあるのかもしれません。


◎ 夢は、戦略で少しずつ近づける

主人は今、一部の畑を単価の高い品種への転換も検討しています。

たとえば、紅まどんな、せとか、甘平、媛小春など。
もちろん簡単な話ではありません。

苗木の植え替えには時間がかかり、収穫できるまで何年も待つ必要があります。

さらに、栽培が難しい品種もあり、気候や管理次第では思うようにいかないこともあります。

「単価が高い=安心」ではない。

それでも、

どうすればより安定した経営ができるのか。
どうすれば手元に残るお金を増やせるのか。

そうやって考え続けられること自体が、農業の「夢」なのかもしれません。


◎ JAをどう使うかは、自分たち次第

農業の話になると、
JA=悪というイメージを持っている人も少なくありません。

でも、私たちはそうは思っていません。

JAの出荷に乗せていれば、少なくとも「売り先に困る」ことはありません

安定して出荷できる仕組みがあることは、
特に就農して間もない頃には大きな安心材料でした。

昨年はおもて年で、収穫量がかなり多い年でした。
とても自分たちで梱包して発送する余裕はありませんでした。

JA出荷だったからこそ、私たちは収穫と選別に集中できました。
もちろん、梱包用の段ボール代などの資材費はかかります。
でも、その分の手間や人件費を考えると、「楽を買っている」とも言えます。

JAのやり方が合わなければ、別の販路を模索する選択もあります。

大事なのは、
JAに従うか、対立するかではなく、どう活用するか

農業もまた、選択の積み重ねなのだと思います。


◎ 移住して、農業をしたいと考えている方へ

農業をしたいと思ってくれることは、本当にうれしいです。

でも、「夢がある」という言葉だけで決めてほしくはありません

うまくいかない年もあります。
体力的に限界を感じる日もあります。
思ったよりお金が残らないこともあります。

それでも、それでもやりたいと思えるかどうか

農業は、気合いでは続きません。覚悟が必要です。
とはいえ、最初から完璧な覚悟ができている人なんていません。

実際に、Iターンで就農されている先輩移住者さんたちも、
移住を決める前は「本当にやっていけるのかな」
不安を抱えていた方がほとんどでした

でも、何度も足を運び、体験を重ねる中で、
「ここでならやっていけそうだ」と感じられた。
そうやって、自分の中で納得してから決断された方が多い印象です。

不安が完全になくなるわけではありません。
それでも、自分で確かめたという実感が、きっと支えになるのだと思います。


❁八幡浜市地域おこし協力隊 移住支援員❁
2023年4月に着任。結婚を機に八幡浜に移住してきました。
人の温かさに触れながら、スローライフを送っています。
新鮮な魚とおいしいみかんが食べれる町。それが八幡浜。来て見て食べてみてください。
協力隊インスタグラムまたは協力隊フェイスブックでも情報を発信していますので、
ぜひご覧ください♪